女性アイドルの賞味期限について

大層なタイトルをつけましたが、
本気でこれに語りはじめると結論に到達する気がしないので、
あえてこのことには触れず、語りたいことだけ語ることにします。
じゃあ何故このタイトルなのか。未来への予告編的な…。自分へのプレッシャーというか…。

2012.3 日経エンタテインメント!誌で読んだ小泉今日子さんのインタビューが
あまりにも充実した内容で感銘を受けたので、はてダに書き残すことにしました。

30年間活動できた理由は、逆に私に飛び抜けた才能がなかったから(笑)。例えば素晴らしい歌唱力があれば音楽の道を突き詰めようと思っただろうし、本当にストイックな役作りができるのであれば女優業に没頭するんでしょうけど、そうじゃないから、どんな仕事もできちゃうんでしょうね。

歌もやれば、お芝居もするし、書く仕事もしてみるという、百恵さんや聖子さんとはまた全然違うモデルを見せられた自負はあります。

今やジャニーズアイドルは、いろんな仕事が出来るのがアイドルの姿、という感じになってますが、
女性アイドルにおけるパイオニアはキョンキョンさんなんですね。
お芝居する女性アイドルは今もいますが、まだ少ない気がします。でも、女優さんが歌ったり書く仕事をしたり、は多いですね。女優のタレント化。

一緒に青春を過ごしてくれて、今も「新しい曲を聴きたい」と言ってくださるファンの方がいる以上、みなさんの青春に責任を取ろうとは思っている。

まず誰かが私のやっていることを面白がって、ほかの人たちを先導してくれる。ハウスについても、私がやれば大丈夫かな、という気はしていました。当時はまだ多くの人が聴いたことのない、もしかしたらとっつきにくい音楽だったかもしれないけど、私という存在自体は分かりやすいですから。

90年代後半以降、音楽活動に使う時間を減らした理由のひとつに「アイドルとして、歌手として常に面白い企画を」って考えることに息切れしてしまったこともあるんです。「もっと面白いこと、もっと面白いこと!」という、ある意味での悪ノリが加速しすぎて、余裕がなくなっていたし、自分でもコントロールできなくなっちゃっていた部分もありました。

いまや女優さんとして広く認識されているであろう彼女が、音楽に対してこれだけの意識を持ってるってのが興味深いです。
ブイに対して、今は「次はどんな面白いことを!」と期待してるけど、息切れしてくるんですかね…。グループだからその辛さは分散されるといいんだけど。

80年代からずっと低迷していた日本映画をどうにか盛り立てようと命を賭けている若い男の子の俳優さんやスタッフの方に出会うこともできた。ただ、その一方で周りを見渡してみたら、私以降の世代で映画を背負おうとする女優が意外と少ないなってことに気づいたんです。そこからですね、映画への思いが強くなったのは。

この記事の中で「主観と客観」の話が出てくるのですが、これはまさに自らを「客観」視した結果ですよね。
自分が映画を好きだから、ではなく、そういう人材がいないから私がやらなきゃ、という責任感から行動に移してらっしゃる。
音楽に関しても「責任を取る」という表現をされてるし、「好きなこと」かもしれないけど「夢」を追いかけているわけじゃないんだと思うんですよ。


女性アイドルに限らず、アイドルって肩書きの職業は、若さを武器に名前を売ることができる、
夢への階段としての期間みたいな捉えられ方をされている気がする時があって、
なんかそれって、アイドルを好きで応援している人に対して失礼な気がするんです。
でも、アイドルの定義が人によって違うから、例えば、若い子が好きなんであって若くないアイドルは応援できない、という意見も否定はできない。
ジャニーズアイドルと女性アイドルの活動の範囲の違いもあるから、
ファンの求めるものも違うだろうし、単純に比較はできないだろうし、また、比較すると面白いなと思っています。

キョンキョンの記事とはズレるけど、
女性アイドル側の話って、卒業するまでの部分しか語られることがあまりないから、
40代になったアイドル・キョンキョンのインタビューには、今の女性アイドルの将来の姿のヒントが含まれてるんじゃないかと思いました。