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kEEP oN.

V6、40枚目のシングル「kEEP oN.」が発売されました。
「話題作ではなく問題作」と本人たちが言うように、単なる名曲ではないので賛否両論あるとは思っていましたが、他担さんから結構好意的な反響があり、逆にブイ担の間ではまさしく賛否両論、という印象です。
もちろんネット上では好意的な感想の方が拡散されやすいので、否定的な意見は身内でしか聞けない、というだけかもしれませんが。
色んな方の好意的な感想を読ませていただきましたが、多くを語るブイファンが身近には少ないので、否定的な部分も含めて個人的な感想を書いてみました。書いてみたら案の定長くなったので、お暇な方だけ読んでください。ほんと文章力なくてスミマセン…。

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私の第一印象も「えー、そこまでしなくていいよ…」というちょっと引き気味なものでした。「そこまで」というのはオペラpartのことです。
ドワンゴでは6分6秒の超大作から下記の7種の着うたが用意されています。

第1楽章(バラードpart)
第2楽章(エレクトロ〜ラップpart)
第3楽章(JUST サビpart)
第4楽章(ファンク〜JUST サビpart)
第5楽章(オペラpart)
第6楽章(エレクトロpart)
最終楽章(弾き語りpart)

Aメロとかよくわからないのでこの楽章表記を使わせていただくと、
第5楽章のオペラパートが無ければ、第4楽章のJUST サビが削れて、Oh BABY〜タイムマシーンから第6楽章に繋げられるから、その状態で全体通すと、色んなテイストぶち込まれてるけど結構まとまりのよい楽曲に仕上がると思うんです。個人的には。
唐突に始まるオペラパートだけが超違和感。ラップパートも唐突だけど、でもラップってそういうもんだし(雑な解釈)。

「6人の個性を生かした構成にしました」で坂本さんはミュージカルスタアだからオペラ(ミュージカル)ね、というのが安易に感じたのもあるかもしれません。
確かにV6のことをあんまり知らない人には、曲の中で突然ミュージカル→ナニコレ!→ミュージカルやってるからだって→さすが本職!、と喰い付かせられるかもしれないけど、元からミュージカルスタアだと知ってる立場で聞くと、ネタにされてるぽくて恥ずかしいんですよ。
例えばキスマイ曲の中で宮田さんが突然ヲタ芸始めるみたいなもので。彼の個性なんだけど!でもあえて楽曲の中で推さなくても良くない?というモヤモヤ。
私の中で、V6の坂本さんとミュージカルスタアとは全然別物で、V6の楽曲の中での彼の魅力って他にもあるはずだと思ってるんです。例えばセクバニのsexy!で一躍時の人になったように「大人カッコイイ、でもちょっとやり過ぎてて恥ずかしい」テイストが超絶似合うところが推されてるならまだ納得なのに。
もしこれが内輪受けを狙ってふざけて入れたのだとしたら、フルサイズはともかくTVサイズではオペラパートを削って、普通にカッコイイ曲として披露するのかな。フルで聞いた人たちがザワザワして「これを歌ってる姿が見てみたいんですけどwww」という盛り上がり方もアリかもしれない。

以上が、ラジオで流れたフルサイズを聴いた後の感想でした。とにかくパート毎の繋がりが全然見えないから、曲全体としては評価しづらい。パート毎はカッコよかったり可愛かったりして良さげなのに。

その後、初披露されたMusic Videoを見て少し考えを改めました。
MVでは幼い頃の自分に対して、keep onするんだよ、自分はkeep on dancingしてきたよ、とタイムマシーンで伝えに行くという設定がすごく伝わったし、幼い自分に見せる映像の1シーンとしてオペラパートもすんなりと納得できました。
もともと私はミュージカルが好きだから、ケンカしてたと思ったら突然踊りだしたり歌いだしたり、という場面転換には違和感を覚えない性質なので、曲ではなく映像作品として解釈したのです。

歌番組でファン以外に披露されたのは6分6秒の曲を2分半に縮めたバージョンですが、私の予想に反してしっかりオペラパートは残っていました。
ここで初めて、オペラパートは内輪受け狙いじゃなくV6としてアピールしたいポイントだったんだ!と気づかされました。
ネットの住民って「ちょwwwなにやってんのwww」と面白がる人種が多い印象なので、ネットだけの反応を全ての反応だと思っちゃいけないけど、手ごたえとしてはバリバリの時と同じくらいの温度で「V6がまたやりやがった!」と好意的に受け入れられたように感じました。
2分半の中で「Sunday Monday〜ララララ〜」は相当な割合を占めるので、逆にオペラパートだけが浮くことなく、バラード・ダンス・ラップ・オペラがバランスよく配置される結果となった気もします。

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ところで、今回の曲宣伝におけるもう1点のアピールポイントに「メンバーも参加して5ヶ月かけて作りました」というキーワードがありました。
普段はコンペで出てきた数曲の中から今のグループが歌うに相応しい曲を選ぶところから始まるのだけども、今回は作家さんにどんな曲を作ってもらうか考えるところから始まっているので5ヶ月かかるのも納得なのですが、これだけアピールするということはよっぽど珍しいことなんだな、と驚きました。
ジャニーズの中では自分で作詞作曲する人も少なくないけれど、自分で作る場合は楽曲を作るための話し合いは必要ないので、もう少し短い期間で出来るのでしょう。また今回は「新しいV6を見せる」という高いハードルがあるので、いい曲が出来れば完成、というわけでもない。コンセプト作りから何から二転三転じゃ利かないほど時間かかったんだろうなぁというのは察します。
だから5ヶ月かけたというのは結果にすぎず、多分本人たち的に大きかったのは「メンバーも参加して」の部分だったのだと思います。

どのように曲が作られていったかは、ナタリーの「にしこりコンビ」インタビューで詳細に語られています。
セクバニはコンペ曲だったけど、ジャニーズ曲への思い入れが深くてメンバーの魅力を引き出したいと意欲満々の郷太さんとレコーディングで関わることによって、自分たちで作詞作曲しなくても信頼できる人と組めばV6の魅力が詰まった楽曲が生み出せる、と思えたのでしょう。

私はどちらかと言うと、ジャニーズアイドルには色んなジャンルの曲をやってもらいたい派です。歌やダンスもするけど、演技もバラエティもMCもする。演技面でもただのイケメン役だけじゃなく幅広い役が出来る。歌や演技に専念している人の方が上手なのかもしれないけど、色んな面を持っていることがプラスに働くタレントさんでいて欲しい、と思ってます。
音楽制作の現場に携わって、自分でも詞や曲が作りたいという欲求が出てくるのは理解できるので、否定はしません。
でも、V6はあまり積極的に自作曲を押し出してくるタイプではありませんでした。トニが3人で作詞したり、イノがソロ曲や長野さんの曲を作ったりはあるし、私もイノの作る曲はすごく大好きで信頼できる作家さんなんだけど、イノがV6の曲を作るということはほぼない。
それは「自分たちは良いパフォーマンスをするのが仕事」という意識が全員にあるからじゃないかと思っています。

「良いパフォーマンス」の最たるところはライブにあります。
楽曲は作らないけれど、ライブ構成は自分たちで意見を出し合って作っていきます。最初はリーダーの坂本さんが一人で悩んで構成を決めていたそうですが、最近では岡田さんが演出をしたり、剛くんや健くんが衣装を考えたりもしています。どんなライブを見せたいか、そのためにはこんな楽曲が必要じゃないか。そうして生まれたライブ用の曲がいくつもあります。
「新しいV6を見せたい」ライブではここ数年よく聞く言葉です。実際、毎年これでもか!と新しいものを見せてくれますし、V6のライブは凄く良いからと楽しみに見に来てくれる他G担も大勢います。それをシングル曲でもやることによって、ライブを見に来ない層にもV6をアピールすることが出来る。そのためには「こんなV6を見せたい」を理解してくれる作家さんが必要で、出会えたから初めて出来た試みなのでしょう。

「V6の事はやっぱりV6が一番知ってるから V6でやるのが一番良いんですよね」
森田さんのドキュメンタリーでの言葉です。そして10年前の森田さんの言葉。
「一緒に仕事をする相手はその道のプロなんだから、彼らに任せられるところは任せて、あとは自分しかできない仕事に全力を尽くす。」(V6 ARENA TOUR Feel your breeze"one"summer(2002))
多分、10年前から今まで基本的には下の考えなんだと思います。演技に関しては確実に下のスタンスで臨んでいるように見受けられます。でも、V6においては自分たちが積極的に関わった方が良い面もあると実感したからこその、少し考えながらの上の発言だと受け取りました。そして、森田さんに限らず6人ともきっと同じ意見なんだと思うんです。
今回坂本さんは、打ち合わせには参加しないポジションを選択しました。10年前の森田さんの言葉と同じ姿勢です。
でも、その理由としてドキュメンタリーで語られたのは
「6人の意見を一つにまとめるのってね すごく大変なんです 17年、V6をやってて非常に分かるんです なので」
と、メンバーが携わるのに反対してるわけじゃなくて、まとまらなくなるのを避けるために今回は引くことにしたという言葉で、イノからも
「一番すごいのはリーダーで、「6人がみんな制作に携わりすぎちゃうと スタッフも混乱するし」(一部略)」と、制作に加わらなかった坂本さんを評価する発言がありました。こういう上げ方をしてくれるのはイノらしいなと感心したんですが。

ドキュメンタリーや各種媒体でのメンバーの発言を聞いていると、自分たちが制作に関わることで楽曲への責任が増したしモチベーションが上がった、という声が多くありました。
私が個人的にJフレ以上に求めてるのは、30歳過ぎてアイドルとしてどんなモチベーションでどんな活動をするのか、という人間ドラマのような気がしています。それは、Jフレ世代で何となく会社に残っている自分がこれからどうしていきたいのか、という悩みにリンクしている。非常に個人的な視点です。
V6には昔からの固定ファンがいて、若い頃と違ってライブは年1回あるかどうか、CDリリースも年2〜3回あればよい、というペースでも付いてきてくれる。上のグループは若いうちに解散したから、30歳過ぎたアイドルグループ像は自分たちで作らないといけない。どんどん若いグループが生まれ成長していく姿を見て、V6としてどうありたいのかというのは課題としてきっとあるんじゃないかと勝手に考えていました。
今回の曲では、楽曲に対する本人たちのモチベーションの高さがすごく感じられたので、充実した活動が出来ているんだなとファンとしてすごく安心しました。
制作に関する苦労話を本人たちが自慢げに語るのはどうか、という意見もあるかもしれません。でも私は、アイドルたちの素の表情も知りたい。それはプライベートを暴きたいというのではなく、アイドルという仕事をどんな風に捉えているのか、どんなことに興味を持ってどう進んで行こうとしているのか、という部分を理解したいなと思っています。

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今回まだ少しひっかかっている点が2つあって、
一つは、TVサイズでは岡田さんソロパートがないこと。
V6の魅力をギュッと詰め込んだ作品として出すためには、ダイジェスト版に全員分の見所が入ってないのが本当に残念です。3分バージョンだと入るようなのですが…。ただでさえ岡田さんは役者の印象が強すぎてV6だということを世の中に忘れられがちなので、ちゃんと見せて欲しかったです。
もう一つは、ナタリーインタビュー記事を書かれた鳴田さんのツイッターでの発言。
「音楽ネットメディアでジャニーズをどう扱うか、彼らの音楽的な魅力を伝えるにはどうしたらいいか、ずっとずっと考えてきました。 」
毎回オリコン上位に入っているのに音楽ネットメディアで扱ってもらえない、音楽的な魅力を語ってもらえない、というのは何故だろう。業界では音楽的な評価がされていないということなんだろうか。考えさせる呟きでした。
「ジャニーズ」って偏見持たれやすいけども、全員がプロとして魅力ある存在だからこそファンが付いているのだと思うので、多くの人に理解してもらえるといいなと願っています。