Oh! My! Goodness!

約1年半ぶりのツアーを控えて、3年ぶりのアルバム「Oh!My!Goodness!」が発売されました。
3年ぶりなので、シングルはonly dreamingから始まりセクバニ・バリバリ・キーポン・RYS、しかもスパノバも、とバラッバラなテイストの楽曲が入っています。でも不思議なことに、アルバムでは全曲違和感なく心地よく楽しむことが出来ます。CDはiPodに取り込んでシャッフルで流すか好きな曲だけ選んで聴くのが普段の聴き方でしたが、「楽曲の並びにもこだわった」というコメントを見て曲順に聴いてみたら理屈は分からないものの納得できたので、このアルバムだけは曲順で何度も聴いています。脳内リピートする曲は多いですが、個人的に一番気に入ってるのは「エキゾチック・トリップ」かもしれません。絶対にライブだと可愛く仕上がる気がするんですよ!ジャァンクフードとか、チラッチラッチラッとか。とても楽しみにしています。

特典映像も相変わらず充実しまくりです。CDにしては高いお値段だけど、DVDも込みで考えると安いよ!
初回AのMVの2本だけでもブイの振り幅が分かりますね。スパノバMVは、セクバニコンともMラバ披露とも全然違ってどれもいい!Mラバでは「スパノバって現存最古シンメの曲だったんだ」と呆然としましたが、MVでは壁ドンかんぽさんにやられました。大人Guyzはイメージ通りの原色の世界でしたが、想像以上に可愛かった…。最近はトニカミ楽曲がリリースされていませんが、このMVでトニカミを満喫できます。
初回Bは制作の裏側が垣間見える映像で、でも気楽に観れる内容で良かったです。アルバムのライナーノーツの真面目さでのインタビューだと重すぎただろうけど、だからってなんで酔っ払わせたのw 楽しい現場だったんだなーというのが伝わってきました。


キーポンで賛否両論巻き起こったのと同じように、今回のアルバムもきっと賛否両論あって、あんまり好みじゃないって言う人も多いんだろうなぁと思っていたら、意外とアルバムは好きって言ってくださる方が多くて拍子抜けしました。でもモヤっとしている感じは何となくあって、かと言ってネット上で否定的な意見を表だって語る方はなかなかいないのでまだモヤっとしたまま。他の方の思いを代弁することは出来ないけど、私個人の考えてることなら吐き出せるので、気持ちの整理のためにまた長々書いてみようと思います。最近ようやく気がついたんだけど、私の考え方は一般的じゃないようなので、これがブイ担の総意だとは決して思わないで下さいね…。

  • 「本人たちが楽曲制作に関わった」

というのがOMGの宣伝文句ですが、トキオキンキは楽曲制作どころか自分で作詞作曲するし、多分トラックダウンまで立ち合うことも珍しく無いだろうから、そこまでアピールできる程のことなんだろうか。他アーティストでもきっと当たり前にやるだろうし、トキキン担さんや非ジャニヲタの人たちに馬鹿にされるんじゃないかしら、と心配していたのです。でもライナーノーツには楽曲提供して下さった皆さんの「表舞台の人間とこれだけ密に打ち合わせすることはない」という驚きの声が多くあって、作詞作曲したわけでもないのにそこまで口出しするのが珍しいのかもと思い至りました。ディスカッションはきっと超めんどくさかったでしょうが、作業を通じて、アルバムの一曲一曲まで大事に扱っていることが作り手さんに伝わったのなら本当に嬉しいことです。

でも、楽曲制作にメンバー本人が関わったからスゴイんだよ、というだけではちょっと説明が足りない気がしていて。スタッフがコンペで集めた楽曲の中から選んで、次はこれを歌ってくださいといって曲を渡されて、メンバー別々にレコーディングして、プロモーションで初めて合流して。それが当たり前だったけど、自分で楽曲制作に関われば楽曲への思い入れもレコーディング裏話もたくさん喋ることが出来てより良いPR活動が出来るのではと考えて試しにやってみました、というところがポイントのはず。レコーディングは別々でも、携わったメンバーのこだわりを感じながら歌えて、メンバー同士の結びつきがより強くなったんじゃないでしょうか。もちろんそんな話はインタビューの中には出てくるんだけど、記事の見出しはどうしても「本人たちが楽曲制作に関わった」だけになるので、それだと「音楽志向が強くなった」「脱アイドル」という印象になっちゃうなぁと思ったのです。全然悪いことじゃないけど、なんかアイドルファン的にはぼんやりさみしい気持ち。

楽曲制作は刺激的で楽しかったのだと思います。だから「楽曲制作に関わったよ!」が一番になっちゃうのも仕方ない。音楽好きな健ちゃんや、宅録もしちゃうイノ、好き嫌いのジャッジが明確な剛くんが制作に関わるのは納得だったけど、長野さんがちょっと意外でした。でもよく考えたらこの人、自分で作るわけじゃないのに料理が出来る過程を学ぶためだけに厨房に入り卸市場に行き調理師免許まで取ってしまう人だった。しかも車とバイクが好きだから機械にも強いし。自分の歌う楽曲を知るために制作作業に携わるなんて、楽しかったに決まってる。イノがごーたさんの現場に入り浸ってたのも、舞台の時はヨーロッパハウスに入り浸ってたし、何というか大学生ならサークル部屋で寝泊まりしてそうな人ですね。下北沢が似合いすぎるアイドル。

  • V6らしい楽曲

バリバリ、キーポンに続いてRYSが出た時に「V6らしい楽曲」と言われることが多くて、でもブイの曲ってたいがい振り幅大きいのにその中でV6らしいとはどんな曲なのか?というのが不思議でなりませんでした。雰囲気的にはピーポーとかライトインとかの感じでしょうか。V6初期の雰囲気。ライブでも楽曲でも新しいものを求めていってどんどん変化していきたいというのは何度も言われてることで、なのに昔のイメージの曲を「V6らしい」と感じて安心するのは何でしょうね。ソングスで坂本さんが「僕らのイメージとみんなが持ってるV6のイメージの誤差を聞けて貴重」と語っていて、やっぱり認識の差があるよねぇと納得しました。

アルバムの楽曲制作においても「それまでV6を作り上げて下さったスタッフ陣がいて、V6はこういう楽曲っていうイメージがあった」と言われていて、V6の楽曲イメージって何だろうと考えながら前作「READY?」を聴きかえしたら、どの曲もすごくエモいんです。「エモい」という言葉の定義はよく分からないけれど、バラードでも明るい曲でもエモい。レディコンは別にそれほどエモい印象ないんですが。何でだろう。
OMGでは「Maybe」「親愛なる君へ」「線香花火」剛くんと長野さん担当分がエモい気がします。長野さんはソロ曲でもこの系統だから元々好きなんだろうけど、剛くんはソロ曲にこういうエモさはもってこないので、剛くんはV6にエモさを求めているのかもしれない。ブイ担さんもこの3曲好きって方が多そうだから、みんなエモいのが好きなのかな。(エモいエモい書きすぎてゲシュタルト崩壊…)健ちゃんもイノも「っぽい!」と納得する曲を持ってきて、4人とも千差万別なのがV6らしいと思うので、OMGはとてもV6らしいアルバムではないでしょうか。

  • 音楽ファンに聴いてもらいたい

キーポンではナタリー、OMGではCDジャーナルに扱っていただき、これまでのジャニーズアイドルの宣伝とはちょっと違うところにアピールしているなと感じますね。実感したのが、やっぱりジャニヲタ以外にはブイのことあんまり知られてないんだなということ。例えば、CDジャーナルではモー娘。9期が誰かなんて説明無しで記事が成り立つけど、ブイはメンバーの誕生日から全シングル紹介までしなきゃいけない。寄稿されてたライターさんも、ごーたさんのタマフルで初めてちゃんと聴いたと仰ってたので、音楽業界で語る場所があるごーたさんの存在ってやっぱり大きいですね。ファンは自分の周りにしか宣伝出来ないので。
音楽ファンと女子アイドルの親和性は、コアな音楽ファンがたいてい男性だからというのもあるでしょうが、アイドル業界には凝った音楽を作る予算があるというのも影響しているのでしょう。でも、ブイも予算はたんまりありそう(何故か)。音楽ファンにアピールして新たな層の購買促進を狙うというよりは、業界内で「V6とは面白い仕事ができる」って話題になってくれたらいいなあ。歌える曲の幅も広いし、6色のボーカルだし、素材としても面白いと思うんだけどなぁ。アルバムではごーたさんだけでなく色んなアーティストさんと楽曲制作してるので、他にも様々な方に、次は自分も楽曲を提供してみたいって手を挙げてもらえたら、爪痕残せたって実感できるでしょうね。

「アイドルの枠を超えた」って言うけど、アイドルに枠なんて本当は最初からなくって、受け手が勝手に枠を作って自分が愛でるor蔑むアイドル像を作り上げているだけなんだと思うんですよ。これは「少女マンガの枠を超えた」問題と同じで、お前ら少女マンガの自由度知らんやろ!と毎度逆上するのも馬鹿らしいからしないけど。アイドルの自由度知らんやろ!と言いたい。歌もダンスも演技もできるアイドルは、楽曲を多面的に演出することができる存在のはずで、それぞれを専門でやってる方には敵わない部分も勿論あるだろうけど、総合点では結構いいとこ行けると思うんだよなぁ!