シルバースプーンに映る月

「シルバースプーンに映る月」というロマンチックなタイトルのミュージカルなのですが、お友だちが可愛い愛称をつけてくれました。ねこかんせんそう。マサにゃんせんそう。
東京公演2週目の23日マチネ、大阪は4日マチネと6日マチソワに入りました。

最後の曲の歌詞が「今日という日は終わるけれど、明日はどんな顔をしてるだろう」というのだけど、千秋楽の座長のご挨拶は「今日という日でこの公演は終わりますが、また新しい公演でお会いしましょう」でした。まーくんさんの新しい公演と言えばフランケンシュタイン…大変だろうけど頑張ってね…と涙ぐみながら見届けました。

練習では周りの皆さんが歌うますぎると凹んでいたようですが、和音が綺麗な曲だけど難しくて、確かに今までやってきたミュージカルには無いかもしれないですね。私はコーラス部の血が騒いで一緒に歌いたくて仕方なかったです。楽器がピアノとアコーディオンだけなので、歌声も楽器の一つとして同じく繊細な響きが求められている感じがしました。

スタイルの良さが強調される抜群に素敵なお衣装ばかりで、それだけに最後から二つ目の衣装でシャツのボタンを留めるようになっちゃったのが勿体無かったです。元々開けてたのを知らなくても違和感があったので、何かの事情で止むを得ずだと思うんだけど、なんでなのかホント教えて欲しい。

ネバゴナでまーじかるを初めて見て、歌もダンスも出来てルックスも良く舞台映えする華やかさを持ってる人なんてミュージカル界で貴重な存在だから応援しよう!とまー担になることを決めた生粋のまーじかる担なので、様々なお仕事の中でミュージカルに対する思い入れは格段に強いです。去年春のマイワンが終わってからずっとずっとまーじかるのお知らせを待ち続け(ブイコンの方がスパン開いてるのに)、ねこかんの振り込めしてる時から「あっという間に初日が来て千秋楽になってまたまーじかる乞食になるんだわ」と嘆くくらい貪欲にまーじかるが見たい人なのです。

アリ天から3年。綜馬さんとの共演3回目にしてようやくガッツリデュエットするという夢が叶って感慨無量です。中学時代から四季を観て育ったからいまだに「芥川さん」と思ってしまうくらい思い入れがある綜馬さんと自担がハーモニーを奏でてる…!ゾロで東宝ミュージカルに出られたことにももちろんスゴく興奮したのだけど、今回も同じくらいの興奮でした。せっかく共演してるのに一緒に歌えないなんて勿体無い、でもおじさん2人のデュエット曲なんて無いんじゃないかしら→無ければ作ればいいんだ!というわけではないと思いますが、当て書きのオリジナルミュージカル万歳!

当て書きと言えば、これも千秋楽の座長挨拶で「今回は当て書きなんですが、ということは恭平は…?(笑)」と、実は綾佑狙いだった友人役の上口くんをいじってましたね。女の子を振るためにゲイのフリをするシスコン綾佑ぼっちゃまもたいがい他人のこと言えないと思いますが(笑)

新妻聖子ちゃんはエポニーヌしか知らなくて、でもすごくクレバーで食いしん坊で楽しい人だった上に、スコーンと明るく響く高音で、声優さんかと思うほど表情のある歌声に魅せられました。男2人女1人でも面倒なことにならなさそうなキャラクターで、スゴく好きになりました。

制作発表で綜馬さんがまーくんさんのことを手放しで褒めてくれたのも嬉しかったし、戸田さんが「今日はいい事しか言いません」と言いながらも昔から観てましたと言って下さったのにも驚きました。まーくんさんは「芝居・歌・ダンス、好きなものが全部詰まってるミュージカルが大好き」といつも言うけれど、芝居はあんまり得意ではないのかなと思っていて。だから、出来ればミュージカルばかりやってて欲しいところだけど、演技の経験値上げるためにもストレートプレイや映像仕事をやるのもいいんじゃないかしら、というスタンスで見ていたのですが(上から目線)、舞台の共演者さんには演技を褒めていただくことが多くて、そのたびに「いやいやそんなこと無いっすよ〜」と否定したい気持ちになっていました。ホント何様なのかという話ですが。私自身がミュージカル好きで、歌とダンスは好きで自分でもやりたくなるけど芝居をやりたいという気持ちにはならないから、きっとまーくんさんも私と一緒に違いないと決めつけていた部分もあったかもしれません。でも今回観ていて、本当に芝居が好きなんだなと、ようやく8年経って気が付きました。好きだから真面目に黙々と取り組んでいて、その姿勢が周りの人に気に入られているのかもしれませんね。演技のセンスがあるのかは分からないけれど、少なくとも舞台ではまーくんさんではなく役のキャラクタで見えるから役作りは成功しているんだと思う。セリフ回しや動きにクセがあるので、そのクセが出るとうわぁと頭を抱えるけど、クセさえ出なければ別に演技下手じゃないのかも?何より本人が好きで前向きに取り組めているのなら、私がわざわざ後ろ向きに見ることないわ、と反省しました。

「今日という日でこの公演は終わりますが、また新しい公演でお会いしましょう」と言われて、私の好きなまーじかるにまたしばらく会えないのが切ないし、次は明らかに難しそうなお芝居だけどそれはそれは精神磨り減るくらいに練習するんだろうなと思ったら切ないし、自担に自分の好みを押し付けていたことに気付いたのも切ないし、とにかく切なくなってしまいました。
でも、ねこかんせんそうは本当に可愛くて、分かりやすいハッピーエンドじゃないけど、観終わった時にはニコニコ笑顔になっている作品でした。ミュージカルはブロードウェイ作品が圧倒的に多いけれど、上演権とか演出とか配役とか制限事項も多いから、オリジナルで出来るのならその方がいいかもしれませんね。まーじかるも、まーのお芝居仕事も、今後が楽しみです。