宝塚を観ながらミュージカルスタアの将来を考えていた

このブログには、現場記録くらいしか書くつもりが無くて、というのは書くことが得意じゃないからそのくらいの頻度でしか更新できないという意味なんだけど、そんなわけで私の数少ないエントリーのタイトルはだいたい公演名なのです。
5/16に宝塚雪組のシアター・ドラマシティ公演「アル・カポネ」を観て、その時に考えたことをこれから書こうとしてるのですが、いつもなら公演名をタイトルにするんだけど、あまりにも公演の内容と関係ないことばかり考えてたから、さすがにタイトルにするのは躊躇ってしまいました。


朝井リョウさんの「武道館」は、まだ読んではいないのだけど、「ダ・ヴィンチ」での朝井さんとたかみなの対談などを受けてのTLの反応の中で、もぐもぐさんのこのツイートが心に残りました。
AKBとジャニーズと宝塚、どれがどうということは仰ってなかったけど、この中ではAKBは次々と卒業していくし、宝塚は極少数残る方はいるものの基本的にはある程度の年次で退団していく。対して近年のジャニーズアイドルは、30歳40歳を超えても変わらず活動を続けるのが一般的になっています。
確かに10〜20年前までは、ジャニーズも20歳半ばでグループを解散し、各自第二の人生を歩むことが一般的だったはずで、グループアイドルが延命化したのはSMAP以降です。この件については、さささんのブログ(西暦2014年、スマ暦24年 - over and over)で言及されているので、そちらに任せるとして。

私がまー担になったのは、まーくんさん33歳の時です。ネバゴナダンスを観て、歌えて踊れてビジュアルが良いジャニーズアイドルがミュージカル俳優になるのは理想的だからこの人にはミュージカル舞台で今後も活躍して欲しいけれど、アイドルとしての集客力が武器になるだろうからアイドル活動を応援しよう、と考えたのがキッカケでした。アイドルファンとしては超邪道な動機。
でも、ファンになった時点でもう33歳だったし、所謂アイドルの最大の売りであろうキラキラ感は既に無く、さてアイドル活動を応援することにしたものの、この人は一体いつまでアイドルやるんだろう?という懸念を抱えながらファン人生を続けてきました。ミュージカル俳優としてわりと認知されているとは言え、唯一オーディションで獲った東宝のゾロ以外全部、事務所プロデュースの舞台ばかりで、他のミュージカル俳優さんと比べると圧倒的に経験値が低いのではなかろうか。いやでも、森田くんや岡田くんはアイドルしながらも外部舞台や映画のオファーが絶えないじゃないの。オファー…(遠い目)。自分の方が年下なのにオカン目線で息子の将来に気を揉む、面倒なファン。実のお母様より間違いなく厄介な存在です。

ところで、私はなんでこんなことブチまけてるんでしたっけ…?
あ、そうでした。宝塚雪組のドラマシティ公演を観に行ったのです。
宝塚は20年ほど前に片足突っ込みかけましたが、ここ10年ほどは専業ジャニヲタとして活動の幅を狭めているため、宝塚に関する知識はTLで流れてくるまとめ記事と「ZUCCA×ZUCA」で得る程度です。
主演は雪組男役二番手の望海風斗さん(だいもんさん)です。
今回は顔に傷がある髭面ギャングの役ということで大層恐ろしい面構えで凄んだりするので、えっ私の知ってるだいもんさんはもっと美人さんなのに…と戸惑ってしまうほどでした(役作りとしては大成功ですが)。顔面の崩れっぷりはまるで末成由美姐さん。ギャングの話なので登場する男役さんはだいたい強面で、正統派美形キャラは二幕で活躍するエリオットとエドワードくらいでした。

ちゃんと数えたわけではないですが、娘役さんより男役さんの方が多かったように感じました。ギャングの話だからでしょうか。ギャングにしてはまだ顔がおぼこい男役さんも何名か見受けられましたが、主要キャスト級になると立ち居振る舞いも発声もすっかり男役です。対して娘役さんは、顔がおぼこくても最初から娘役です。娘役トップは早くに抜擢されることもあるのに対して、男役トップになるまで一般的に入団から10年以上かかるのは、「男役になる」のにある程度の経験を積む必要があるからでしょう。
そこまで時間をかけて得た「男役スキル」ですが、退団すると発揮する場面がほぼありません。いつかはこの男役演技が観られなくなる、という想いでファンの方々も劇場に通い詰めるのでしょう。ただ、もちろん演技・歌・ダンスといった素養の面では、宝塚の経験を生かすことが出来るでしょうし、男役としての振る舞いを演技に求められることはなくても、観客からどう見えるかという意識はかなり高くなりそうな気がします。

ヅカファンはたくさんいますが、OGさんのファンはどのくらいいるのでしょうか?在団中はファンが多く付いていてチケットがなかなか取れないスターさんでも、退団後の外部舞台ではそこまでの集客はないのではないでしょうか。それは、ファンが求めているのは「宝塚の◎◎さん」だからなのでは…?ご贔屓の生徒さんが卒業すると、一緒にヅカファンを卒業するか担降りする(ヅカファン用語で何と言うのか分かりませんが…)かが主だと思うのですが、それはきっと、宝塚ならではの男役/娘役演技が観られなくなってしまうことや、宝塚のように定期的なスケジュールでご贔屓さんを追いかけることが出来なくなることもあるでしょうが、「タカラジェンヌ」という聖域の存在ではなくなることが大きいのではないでしょうか。

ジャニーズの場合は、事務所を辞めると出られなくなるのは、俗に言う「ジャニーズ舞台」(社長か滝沢さんが作・演出の舞台)くらいで、外部舞台にしか出ていないまーくんさんが事務所の人じゃなくなったとしても、ミュージカルスタアとして観られるものはそう変わりがない気がします。何なら、アーティスト活動やタレント活動のために拘束される時間が無くなれば、もっと色んなジャンルの舞台にチャレンジできるのでは…?ミュージカル仕事はストレートプレイより稽古や公演での拘束時間が長いから、アイドルしながらミュージカル俳優として活躍するのは難しいのでは?

アイドル活動を応援することが、逆にミュージカル俳優としての可能性を狭めているのではないか?ファンの一方的な「彼のため」の応援が、彼の将来を縛ることになるのでは?…そんなことをグルグル考え出すと、自分がどんなスタンスでファンをやっていけばいいのか、分からなくなってきました。

香取さんは、役者である前にSMAPであり、アイドルです。本人もそう言ってる。もちろんそれは正しいんだけど、俳優としての仕事をする時、どうしてもそういうイメージで見られがちなのは、もったいない。アイドルが演技をしているって。彼は、完全にその域を超えているのに。

「burst! 〜危険なふたり」三谷幸喜インタビュー

ミュージカルではありませんが、草?さん香取さんの2人芝居を演出した三谷さんの言葉にあるように、演技の世界でアイドルは色眼鏡で見られがちです。それは、映画界で活躍する岡田さんも自ら言っていました。
まーくんさんがアイドルの色眼鏡で見られてミュージカル俳優として正当に評価されていない、とは特に思わないけれど、アイドルであることで舞台に立つ機会が減っているのならもったいない、と思っていたので、三谷さんの想いには少し共感できました。

でも、この件について当の香取さんや岡田さんは「アイドルのままでいる」という答えを出しているのです。
その理由は色々あるでしょうが、ファンの立場から考えると、アイドルの香取さんや岡田さんのファンになったことが三谷舞台や大河や戦争映画を観るキッカケになったことは否めません。「良い作品を作れば世間は認めてくれる」というのは少し足りなくて「良い作品を作って、その存在が世に知られれば、世間は認めてくれる」。知らないものは興味の持ちようが無いので評価もできません。
櫻井さんがキャスターになって若い世代がニュース番組を観るようになったように、アイドルが歌以外の活動をすることはその分野にとって新しい顧客を掴めるという効果がありますし、アイドルファン側も様々な分野に触れるキッカケを得られます。
あ、そう言えばまーくんさんも、アイドルがミュージカルに出ることでミュージカルに興味を持ってくれる人が増えれば、みたいなこと言ってた気がする。

宝塚の舞台のチケットがなかなか取れないのは、タカラジェンヌが演じる舞台だからであり、アイドルの出演する舞台のチケットがなかなか取れないのは、アイドルが出演しているからなのです。出演するのがタカラジェンヌでもアイドルでもない俳優さんになるとチケットの競争率が下がるとしたら、それは俳優さんの実力や人気の問題ではなく、逆にタカラジェンヌやアイドルに向ける興味や期待が異常に高いことが原因だと思います。私はまーくんさんにミュージカルスタアとして舞台に立って欲しいと願ってファンになったけれど、アイドルとして舞台に立っているからこそチケットを取ってくれるジャニーズファンはきっと多いでしょう。ブイファンはブイメンバーの舞台なら自担以外でも観に行く人が多いけれど(私もそう)、ブイじゃなくなってFC案内が来なければわざわざ行かないかもしれません。

「アイドルは現役であらねばいけない」
宝塚の舞台を観ながら私が出した結論はこれでした。
と、これだけ書くと全く意味がわからないから思考の流れを書き連ねたものの、やっぱり意味が分かりません。
言えることは、目の前の舞台に集中して私!ということくらいでしょうか。そのくらいマージカルが観たいんです(結論)