カノトイハナサガモノラ 大阪千秋楽

東京グローブ座で8/18に観て、北九州公演を挟んで、シアタードラマシティでの9/10の大千秋楽を観ました。まーくんさんの現場で2回きりなんてすごく久しぶりな気がします。前回のTTTが円盤化されていることもあって、今回もしてくれるのでは?という期待感から、あんまり無理しないでおこう…と諦めがついた面もありました。

大千秋楽ということもあって、カーテンコールで新曲「カノトイハナサガモノラ」をみんなでもう一度歌ったりして楽しかったのですが、そのあたりのレポはうまくまとめて下さる方にお任せして、私は相変わらず、本編の覚書とそれに派生して考えたことを吐き出していきたいと思います。
記憶を吐き出しているのは、自分が何を考えたかを思い出すためなので、つまりまだ思い出せていないということ。記憶がふわふわしてる。

ざっくり流れに沿った(つもりの)覚書・修正版

「Traveler」「Glory」
板付きでスタート。「Glory」の「バスにゆられながら」という歌詞に合わせてバスの中で立ってておっとっととわざとぶつかるというワチャワチャが毎度ある。
2曲歌い終わったら最後のステップをなんとなく続けつつおしまい。特に会話のない3人。突然「歯の神経抜いた」と言い出すサカモト。少し会話が弾む。いつ抜いたの?今日!昨日…?過去。うーん…どっちか!「で?」「それだけ」しばし沈黙「いつか死ぬんだねぇ」突然言うナガノ。「わかるー」同意するサカモトと「えっ?大げさじゃない?」ついていけないイノハラ。歯の神経を抜いたということは神経が死んだということ。ここから、死を想定していないという話につながる。
この段階で既に「20th Century」「リーダー」と呼んでいた。

「WISHES」
「俺、ずっと思ってたんだけどぉ…」のくだりは「WISHES」の前だったか後だったか。サカモトの主張は「ずっと思っていて言わなかったことを、今言おうと思った、その変化が怖いから聞きたくない」。そんな真剣に捉えなくていいよ!会話を弾ませたいだけなんだから。イノの「会話を弾ませたいじゃない。普通そうでしょ?!」に「普通って何」と引っかかるナガノ。この引っかかりが後の「ラーメンの王道」に繋がる気がする。「会話を弾ませたらどうなるの」「弾んだら…高いところから広く見渡せる」この台詞(ニュアンスだけど)には、おぉーという感じ。「会話が弾む」という言葉の本質が見える。

「会って話を」
「曲やらない?俺、歌いたくなってきた!」とやる気満々でセンターにつくサカモト。「一緒に歌おう」「いや…そのつもりでしたけど」既にマイクを持って両側にスタンバイしている2人。演奏を頼む時、イノは支配人に「おい!ババア!」と異様に偉そうだし、サカモトは異様に低姿勢。このキャラがなにかを暗示してそうだけど、よくわからない。
ナガノがハケるところ、今回はちゃんと見ました!「もっと寄り添って」で2人が背中合わせに近づく振り付けはそのまんますぎると思いますぅ。

「Stranger than paradise」
キメ顔をあれこれ試すナガノ。音楽がかかると踊るナガノ。昭和なキメ顔が面白すぎてズルイ。「使命」の意味は、無意識にやってしまう行動、くらいのニュアンスに思えた。仕事ではない。誰かに指図されたものでも自分で意識してやってることでもない。
バックダンサー2人を従えて歌う。そう言えばどんな感じで登場したっけ。職人っぷりがすごい。身体が半分に分かれるマジックをするのもジャニーズの使命なんだろうな。

「コバルトブルー」
1週間放置してしまったので何も思い出せない…。
「サカモトくん彼女いるの?」「唐突だな」「唐突ってどんな字だっけ」「しばらくいない」元カノとの思い出を話し始めるサカモト。「聞かれたからじゃなくて、自分が話したくて話してるんだよ」っていうイノの指摘が鋭い。「追憶」車の免許を取った頃の彼女の話。付き合いたてのラブラブカップル。雪が降りはじめる。「サカモトに連れて行って欲しいところがあるの」。「ここにいないみたい」とオンナに言われてしまうんだけど、このお願いがキッカケだったとしたら、なんでそうなっちゃったんだろう。
感情を床に叩きつけるようなタップ。彼女の前でも幸せそうな感情は感じられたのに、何か出せてないものがあったんだろうか。
曲が終わった後で横で聴いてた2人が「ジョン⤴︎レノン⤴︎」をからかってたのは、シリアスな展開を茶化して誤魔化したかったからのように感じました。トニセンっぽい。

「遠いところまで」
ナガノくんはお姉ちゃんが履歴書を送った。サカモトくんは高校を辞める口実にしたかった。イノだけが自らアイドルになりたいと思ったんだよね。なんでなりたいと思ったの?その顔で?と笑われる。その顔で、って言われてもヘコまずに、イノがアイドル目指してくれてよかったなぁ。
ナガノが声をあてる「よっちゃん」があどけなくて可愛い。身振り手振りが大きいのに、人形操作するサカモトは表情を変えず完全に黒子。
イノがフライングするときのフッキングを2回とも見逃した。なんたること。フライングの脚の曲げ方が綺麗。次は帝劇でやろう。

「20th Centuryデス」
「名乗った時点で『デス』で一回死んでるんだよ」「死ぬなんて縁起が悪い。20th Century born!」このやりとり、無邪気でよい。
ソウル・ターミナルの説明をした後で、3人の記憶を消すために閃光を放つんだけど、ナガノは偶然サングラスをしていたので記憶が消えなかった。もう一度集まる時に、さっきと同じように段差につまずく2人、さっきのことを覚えているから段差に気を付けるナガノ。「ソウル・ターミナル」のことを知っているナガノ、知らないけど何かを察しているイノハラ、何もわかってないサカモト。サカモトはミステリアスじゃなくて、異様に素直なだけではないのか?

「愛なんだ」
トニ曲じゃないけど、この曲しかない。「もっと信じろよ!」だったかな、オーナーが熱く叫ぶのはここだった気がする。生と死を繰り返しながら何となくずっと一緒に旅を続けている3人。ずっと一緒にいられること自体が奇跡だと言いたかったのかな。千秋楽はタイミング的にも、ここが強く印象に残った。

「トライアングル」
10日経ったので記憶がカケラも残っていないのだけど、搾り出します。
前回のブログで「トライアングルってグライダーの持ち手みたい」と書いてるということは、白い幕が下りてスクリーンになって映像が映し出されるのがこの曲だということか。幕が下りる前に3人が客席を通って扉から出て行くんだよね。1回目グローブ座で観た時は3階席だったから客席降りしたことしかわかんなくて、2回目は通路横の席だったので真横を自担が通って行きましたが、硬直していたので何も覚えていません。

「カノトイハナサガモノラ」
ブイコンの過去映像が流れ、スクリーンが外されるとデビューコンっぽい衣装で登場、のはずが千秋楽はステージ上に誰もいなくて。少ししてから上手下手から3人がふらっと登場しました。私はそもそも前回の記憶が曖昧だし、北九州を経て大阪でどんな段取りになってるかもわかってなかったので、そんなものかと違和感なく受け入れましたが、どうやら遅れて来たのはこの回だけだったぽい?まぁ大丈夫です。

「Traveler」
お芝居のカテコが終わると流れる「Traveler」が、また最初にループする感じがしてぞわぞわして面白い。もっと前のタイミングだけど、オーナーが「繰り返しには需要がある」「実感!」みたいなことを言うところ、その時の話の流れとしては腹落ちできないままなんだけど、生と死を繰り返したり、同じ芝居を繰り返したり、それを繰り返し観る私たちと重なる、と言ってる方がいて、一理あるなと思ったのでした。

千秋楽では、この後にスタオベして本当に素に戻ったトニセンによるカーテンコールがあり、観に来ていた直太朗くんやハナレグミの永積くん(トライアングルを作ってくれた)と一緒に「カノトイハナサガモノラ」を歌ったのでした。ここは本当にトニコンだったから、お芝居の中のはトニコンじゃなかったんだなぁと改めて実感しました。

全体的な感想

前回も書きましたが、「アドリブに見えるやり取りも全部お芝居」という今回のコンセプトは、公演前のインタビューの中で「ワークショップでトニコンのMCを書き起こしたものを説明なく読まされたら違和感ありまくりだった」というエピソードから想像していました。心の準備をして見ているので、2回しか見れなくても次の観劇まで間があいても大丈夫でしたが、知らずに最後に気がついたら、ええっ?!もう一度観て確認したい!となっていたことでしょう。

記憶を消されるので何度も段差につまずくし、何度も「ずっと思ってたんだけど」と話を切り出す。記憶を消されていても、1回目は「ずっと思ってたことを今聞きたくなったその変化が怖い」と拒否し、2回目は「それ、どうせ何だったか忘れるやつだよ」と笑う。1回目のやりとりの時に結局「何だっけ」となったから。きっとうっすら覚えてる。しっかり覚えてるナガノは、そのふわふわしたやり取りを遮るように「ずっと思ってたんだけど」とかぶせる。イノハラは会話で盛り上げようとする性質だから、「ずっと思ってたんだけど」と気軽に口に出すけど、ナガノは違う。間を埋めるための戯言じゃなくて、なにかあるのでは?と思っての「ナガノがそんなこと言うなんて珍しい」だったのかもしれない。
イノハラは会話を盛り上げようとするけれど、サカモトとナガノは黙っていても平気。話にオチは求めない。
話をしたくて食い下がるイノハラのことを「俺こいつ苦手だわ〜」と言うサカモト。「そんなこと言ったら俺だってサカモトくんのこと苦手だわ!うーん…全体的に?」と言い返すイノハラ。

千秋楽は「3人がトニセンであり続ける奇跡」をなんとなく感じていて、個性はバラバラだし、魂を具象化した姿も全く統一性がないのだけど、なぜかずっと一緒にいる。私は別に一生添い遂げてくれと思っているわけではないけれど、トニセンというユニットに関わるみんながハッピーになってくれてるのが幸せだなと思いました。
あと「言葉にしなくても通じ合える」「言葉にすると形が変わる」「言葉にしないとわからない」はどれも正解でどれも間違いなのかな、ということも考えさせられました。相手の想いは言葉という形で受け取るけれど、その言葉の中に想いが全て正確に含まれているとは限らなくて、こちらもどれだけ正確に受け取れるかはわからなくて。言葉の外にあるものをくみ取る、と言いながら、勝手に自分の都合のいいように解釈していることは往々にしてあるなぁ。

千秋楽のカテコで、プレゾンくらいの公演数をやってるよね、って話をしていて、プレゾンみたいに毎年夏は青山劇場でって決めなくてもいいけど、なんとなくゆるーいライフワークとして続けていけたらいいなと思うし、それこそお芝居にこだわらなくてもいいのかなとも思う。いや、お芝居とコンサート以外でこの3人でやることってなんだろう…。お料理?(楽しそう!)

今回のTTT2でも「トニコンが観たい!」って感想が多かったですね。歌と踊りはがっつりやってるし新曲も2曲あるのでこれは実質トニコンでは?!とも思いつつ、そうじゃない、これじゃなくてトニコンがいい、という気持ちもわからなくもない。お芝居で頭を使いたくないのかな。千秋楽のカテコで歌った時、あれはまさしくトニコンだった。トニセン以外にいっぱいいたけど。
私はコンサートも好きだけどお芝居も好き。両方やってくれたらそりゃ嬉しいけど、まとめて一度に両方見れるならそれはそれでお得だね、という思想の持ち主です。
今回は曲をベースにお芝居があったので、死とか王道とかの概念的な話はよくわかんなかったら深く考えなくてもいいと思います。曲の前後のお芝居はわかりやすく曲にリンクしてるから、そこだけ注目したらとても楽しいはず。例えば「遠いところまで」をイノのアイドル人生を想いながら聴くなんて考えたことなかったから、目からウロコでした。
でも私は理屈っぽいから、禅問答みたいなやり取りも楽しい。「普通って何?王道って何?」という疑問はたしかに納得で「普通のお芝居って?普通のコンサートって?」という疑問から生まれたのがTTTだと思っています。こういう話って改めてすることないし、口で言ってもよくわかんないし、例えばこういうのってどう?を形にする場としてのTTT。

これからTTTがどうなっていくのかわかりませんが、想像ができないものを見る場だから想像するのもナンセンス。G2さんも御徒町くんも昔からの付き合いなので、トニセンの持つ縁ってとても貴重ですね。次はどうなるのかな。