ON THE TOWN

ブイ現場に初めて入ったのが2004年夏コンなので、トニ舞台は観たことがなかったファン歴10年の新規です。
ロシイノ共演のプロデューサーズを観て、まーくんさんがメンバーと共演する舞台も観てみたいわぁと、ふんわり夢みていましたが、2014年にトニミュという形で実現するとは!
舞台共演の何が醍醐味かって、1〜2ヶ月の稽古期間+上演期間中のエピソードですよね。普段のグループ仕事やツアーに比べて、舞台は圧倒的に一緒にいる時間が長い。雑誌の記事やラジオなどで裏話を聞いてはグフフとほくそ笑む、という楽しみがあります。
ブイ大好きトニ大好きまーくんさん大好きな私にとって、こんな美味しいお仕事はありません。
…のハズなのですが、正直なところ、観劇日まで盛り上がり切れないままでした。
思い当たる理由はいくつかあって、
①今年はトニコン+マージカル(+α)のつもりだったのにトニミュ一個にまとめられた。
②まるであて書きのようなキャラクターだから、観る前からイメージが出来てしまってつまらない。
③インタビューでまーくんさんから「出番が少ない」発言があった。
④昨年のフランで萌え尽きた。
ほぼ身勝手な理由ですが、こんなところでしょうか。
観たら楽しくなって盛り上がり損ねていた自分を後悔するに違いない、と思いながらも、マイ初日は東京公演千秋楽前日の10/13だったので、開幕後もまだ、皆さんの感想レポを読みながら悶々としていました。その13日は、台風が上陸して交通機関に影響出まくり&明日は会社、さあどうする?ホントに行くの?という試練が待ち構えていました。でも、大阪だけってのも嫌だし、青山劇場に行けるのも多分これが最後だし、と強行突破。盛り上がり損ねていても、トニミュへのモチベーションは失っていなかった自分に安堵しました。

さて、ウダウダと前置きが長くなりましたが、トニミュ観ました。青山1回、大阪3回、計4回。リピる系ヲタなら初日・中日・千秋楽を押さえるべきなのですが、東京初日は日曜ソワレだったので泣く泣く諦めました。大阪土日は、先にTOKIO神戸・大阪を確保していたところに後からトニミュをぶっこまれ、泣く泣くTOKIOを諦めたので許して欲しい。

公演期間の終盤しか観てないので、初日の完成度はわからないのですが、ノンストレスで楽しく観られるミュージカル!ミュージカルの経験が少ないロシイノは相手役の経験豊富な女性陣に食われるんじゃないかとか、喉が潰れないかとか、心配していましたが全然問題なかったです。歌番組やコンサートだと音程外しちゃうこともあるけど(それはまーくんさんも)、そんなこともなく。息の合ったカップル3組の仲良しグループに、周りのキャストさんも青山先生を筆頭に安定の信頼感。見たところヒルディの姉御っぷりにに心奪われた方が多かった様子ですが、私はイノッチ&じゅりぴょんカップルが大好きです。婚約者がいる女性との一夜の恋。でも心底明るい。
1944年初演でミュージカルの元祖みたいな古典作品なのに大胆でキュート。水兵さんなアラフォートリオのセーラー服姿も可愛くて、バーンスタインの音楽の魅力は言うまでもないです。

こんなに楽しいトニミュだけど、相変わらず色んなことを考えながら観ていたので、順不同で吐き出したいと思います。

  • 「カレイの煮付け!」

ざっくり言うと3組のカップルの話で、その中でも主人公はゲイビーぽいのですが、オジーとチップが早々と彼女といちゃいちゃし始めるのに比べて、ゲイビーと彼女との絡みはほとんどありません。彼女の居場所を探すところから始まり、約束を取り付けてもすれ違い、ようやく出会えたら警察に引き離され、出港の時間になります。まともに絡めたのは夢の中だけ。
2幕の途中で2組+ゲイビーが合流するまでは各カップルのシーンが交互に出てくる構成なので、まーくんさんの登場シーンは1/3です。これまで観てきたマージカルと比べると圧倒的に出番が少ない!歌が少ない!そして一人で切なく歌いあげる曲がほとんど!(注:個人の感覚です)
記憶に残るナンバーは多いけど、オジーカップルの「夢中にー」とか、チップカップルの「召し上がれ」とか。ゲイビーもいい歌うたってるんですけどね。どうしても楽しい曲の方が脳内リピートしがち。カップル曲は観るのも聴くのも楽しいからね。ゲイビーにも可愛いの歌って欲しかったなー。
あまりにも出てない場面が多いから、楽屋でカレイの煮付けでも作ってるんじゃないの?!*1とキレる、面倒くさい観客でした。

  • フラン怪物さんの夢

WSなどで注目を浴びたゲイビーの全裸、もとい、上半身裸の淫夢シーン。この場面は、一目惚れしたアイヴィがコニーアイランドという店で上流階級向けのパーティーに出ていると聞いて探しに行く地下鉄の中で、居眠りして見た夢のシーンです。
夢なので、後に出てくる実際のコニーアイランド(警察に捕まるギリギリのエロい露出が売り)と比べるとエレガント。コニーアイランドがどんなところか分からないから、この夢は1幕でゲイビーが街中で見たデュエットダンスと、アイヴィの開脚発声がベースなのでしょうね。
こういうのどこかに見たなと思ったら、そうだ、フラン。怪物は愛し合う夫婦の姿に触発され、夢の中で自分と同じ造形の女性とダンスするのです。
奇しくも二回連続で夢の中での妄想ダンスを披露するまーくんさんですが、そう考えるとゲイビーの夢も、いやらしいだけでなくちょっと切ない。アイヴィとの幸せの姿が具体的にはイメージできてなくて、ダンスという抽象的な形にしかならないから。

  • じいさんありがとう

私自身は入ってないのですが、東京千秋楽の挨拶でまーくんさんが「本当ならここには少年隊さんが立っているはずだったのですが」と話したそうです。2015年1月に閉館する青山劇場、トニセンや古くからのジャニーズファンにとっては、青劇=少年隊プレゾン、という存在です。少年隊プレゾンは数年前に後輩へと引き継がれましたが、もう一度少年隊を青劇で見たかった、という思いが、まーくんさんだけでなく皆の心にあるのでしょう。
同じく東京千秋楽のイノの挨拶は「トニセンと名付けられた時はマジで⁈って感じだったけど、この3人で青山劇場に立つことができてジャニーさんに感謝しています。ジャニーさんありがとう!」でした。どうやらこの回にジャニーさんがいらっしゃっていたという噂なのですが。
実は、私がトニミュを見て一番に抱いた感想も「トニセンを作ってくれて、この作品を演らせてくれて、じいさんありがとう!」だったのです。
本人たちも言ってますが、オンザタウンの3人の水兵さんは、まるでトニセンにあて書きしたかのようなキャラクターなのです。夢見がちなゲイビーにまーくんさん、几帳面なチップにロシ様、お調子者なオジーにイノ。演技の予想がつくというのが、トニミュへのモチベーション低下の一因にもなったのですが、逆に、あて書きしたわけでもないのにこれだけハマるということは、オンザタウンのキャラクターに合わせてトニセンが選ばれたという可能性もなきにしもあらずなのではないでしょうか。(発想の転換)
確かにオンザタウンに限らず、このようなキャラ設定のトリオは他の作品にもよくありそうです。しかし、トニセンを含むブイのメンバー構成を考えたのは、ミュージカル大好きなジャニーさん。ミュージカルの元祖とも言えるこの作品を、いつかジャニーズでやりたいという夢もあったのでは。テーマ曲の「ニューヨークニューヨーク」は、過去のジャニ舞台でも使われていたそうです。
3人組の舞台班と言えば、少年隊です。本当なら少年隊にやって欲しかったのかもしれません。しかし、少年隊フォロワーなトニセンが着実に経験を積み3人で演じることになるなんて、どんな夢物語!
舞台班だけどジャニ舞台とはプレゾン以来全く縁の無いトニセンのことを、ジャニーさんはどう見てらっしゃるんだろうと思っていたのだけど、トニセンをV6として選んでくださったおかげで今こうして楽しむことができているのですよ。ホント、じいさんありがとう。

*1:以前トニ舞台の楽屋で休憩時間にまーくんさんがカレイの煮付けを作っていた、というエピソードから