ザ・ミュージック・マン

序章が長すぎたので、感想はさっくりといきます。(本末転倒)

日生劇場4/11〜5/1と、御園座、梅芸、清水マリナート、博多座という5月いっぱいのツアー日程でした。
私が入ったのは、日生4/16昼、4/29昼、御園座5/6昼、梅芸5/13昼夜、清水5/21昼、博多座5/27昼、合計7公演です。
数だけみると多いんですが、ポイントは全ての会場に入っていること。5会場あるから結果的にこの数になっただけなんです、信じてください。本当は多ステしたくない!私がたくさん入るくらいなら、たくさんの人に入って欲しい!(多ステできるほどお金の余裕ないし!)のポリシーでやらせてもらってます。
でも、なかなか自担ごとでしか遠征することないから、地方の劇場に行く機会もそうそうないよな…と思い、こんな感じになりました。ライブと違って舞台は販路がいろいろあるから、自名義だけで何公演でも取れるところがイイね!

自他ともに認める「日本のヒュー・ジャックマン」ことまーくんさんのおかげで、ヒューがブロードウェイで主演しているザミュ(と略すのは私だけ)のことは以前から知っていました。トニー賞のパフォーマンスもしっかり見ていたため、フィナーレで出演者全員が自ら演奏することは観る前から知っていたのでした。知らずに観てビックリする声も多かったので、あんまり言わない方がいいのかな〜とネタバレしないようにはしていました。

やっと東宝ミュ!!と拗らせオタクは大興奮でしたが、この役はきっとまーくんさんの得意分野だから似合うだろうなとも思いました。意外性はない。トプハで見たばかりのキャラクター。でも、まーじかるを初めて観る方がきっと多いだろうことを考えると、名刺代わりとして良い演目であろうなと納得しました。

東宝演劇部のTwitterアカウントがなぜか、12月の情報解禁から3月のチャリチョコ解禁までの3ヶ月間ザミュをヘッダー画像にし続けてくださっていたのは全く意味がわかりませんでした。チャリチョコはわかる。帝劇だしこーさまだし。ザミュはわからない。ねぇ東宝ちゃん、まーくんさんのことどう思ってる?

まとまった感想はきっと他の方がすでに書いてらっしゃるはずなので、私は思いつきを書き連ねますね。

共演者さんについて。
ヒロイン役の花乃まりあちゃんは花組トップ娘役さんでしたが、私はギリギリ現役時代を拝めてなくて、去年上演された「8人の女たち」という宝塚OGだけの作品で初めてちゃんと観ました。これはストレートプレイで歌はなかったのですが、生意気な妹役でめちゃくちゃ可愛かった!なので、とても楽しみにしていました。ザミュのマリアンは堅物のピアノ教師で全然違うキャラだけどまた良き。コミカルな演技もかわいい。歌声がとても綺麗で、かのちゃんをご存知ないお客様たちが観劇後に「あの役はなんという方?」とザワザワしていました(ニッコリ)。橋から立ち去る時のチュッという投げキスが可愛すぎて、毎度拝んでいました。
マーセラス役の小田井さん、純烈を昨年末卒業したばかりで年明けにキャストが公式発表された時にはビックリしちゃいました!卒業発表が昨年4/1で、オファーは卒業発表後だったとどこかで聞きました。歌もお芝居も心配はしていませんでしたが、観たら想像以上にピッタリで、このキャスティングを思いついたプロデューサーさんが天才すぎる!ハロルドまーくんさんより一回りも二回りも大きいマーセラスは、くまさんみたい。ハロルドとの悪友っぷりがハマっててよくお似合いでした。歌声もまーくんさんと似たソフトな感じで、一緒に歌っていると気持ちよく混ざり合っていたように思います。ShipoopiのことをEテレソングと呼んでいたのだけど、まさに歌のお兄さんでしたよね。マーセラスはハロルドのことを「グレッグ」と呼ぶので、OZ担はその度ドキドキしていたよ。
チャーリー役の藤岡正明さん。ミューオタの信頼を得ている歌うまさんですが、ストーリー的にそんなに出番ないんじゃないかなと心配してたら本当に出番が少なくて、そんな勿体無い使い方ある?!とビビりました。でもキャラの濃さが活きる役で、藤岡さんの存在感は必要でした。腰痛のため開幕から数日間休演となり、スウィングさんが代役で出演されていたのですが、私が観に行った回までに藤岡さんが復帰していました。話はそれるけど、スウィングさんは男女1人ずついて、女性スウィングさんはマリアンの代役もされていたそうです。そんなメインのお役までスウィングとして準備されてたなんてすごい!
トミー役の山崎大輝くん。去年スリルミーで初めましてでしたが、今回が初ブロードウェイミュージカルだったそうです。あんステに出ていたことも知っているのだけど、いかんせんスリルミの「彼」役が初見なので、ニコニコしてくれてるだけで嬉しい。ハロルドに言われるがまましっぽ振って働いてくれる大型犬。かわいい。
ザニータ役は水嶋凛ちゃん。斉藤由貴さんの娘さんで、初ミュージカル初主演でシンデレラストーリーでデビューしたばかりなのは知っておりました。お写真ではそう思わなかったけど、舞台上の姿があまりにお母さまに似ていてびっくり!今回は主演ではないけれど、やはり華があるし、声も良いし、何度もステージに立っているかのような安心感がありました。これからも活躍してほしいです。
シン町長夫妻の六角さんとモリクミさん。コメディパートを安心して任せられるこの人材も貴重。まーくんさんが、まさか六角さんとミュージカルで共演することになるとは、と驚いていたけれど、レミゼオーデを受けた時点で驚きだよね。テナルディエ夫妻とのご縁が何かに繋がれば良いのですが…何か…(※2024〜2025年レミゼの選考中なのです)
ミセス・パルーは剣幸さん(ウタコさん)。「こういうオールドスタイルのミュージカルは宝塚時代に何度も経験した」と仰っていて、ミーマイ初演のビルもガイズ&ドールズのネイサンもやってらっしゃるのか!と納得しました。直近観たのがエリザベートゾフィーだったので、今回は楽しいお役で会えて良かったです。ブロードウェイ版のアルバムにあるミセスパルーの歌は高音部の音が外れていて、それはそれで面白いんだけどわざとなのか分からないなと思っていたのですが、ウタコさんはちゃんと歌ってらしてホッとしました。
ウィンスロップなど子役たちもみんなのびのびしていて良かったです。カテコでまーくんさんが子役たち(メンバーは回によって違う)に「ありがとうございました!」って挨拶をさせていたのも良かった。良い記憶になるといいな。同時期にスパイファミリー、マチルダなど子役が出演するミュージカル作品が多くあって、子役キャストはシングルじゃなくダブル・トリプルで回すので、ものすごい人数の子役がミュージカルの舞台に立っていることに感嘆しました。OZにもリトルピーター、ヤングピーターがいるけど、12年前に子役で立ってた子たちが今も大人キャストとして活躍してくれている、そしてOZのことを良い思い出として語ってくれることがすごく嬉しいんだよね。
アンサンブルさんがSNSにお衣装姿をアップしてくださるのが楽しみでずっとチェックしていました!前田文子さんのお衣装がとても素敵で、写真集を売って欲しいくらい!とアンケートに書いた。ザミュは基本的に全編通してリバーシティの数週間の話なので、アンサンブルさんもほとんどが通し役ですが(最初に列車に乗ってたセールスマンたちを除いて)、住民たちの変化とともにお衣装の色味も変わっていくんですよね。アンサンブルさんに注目できるのがリピートの良さ。

そしてハロルドまーくんさんは、先述のとおり想像通りの役だったわけですが、今回改めてまーくんさんのどんなところが好きなのかな、と考えながら観ていて、私は「周波数」が心地良くて好きだなという結論に至りました。単に長年聴き続けて耳馴染みがいいだけなのかもしれないけど。ミュージカル俳優として、確かに歌も演技も上手いかもしれないけど、他の俳優さんたちもとても上手いことを知っているし、若くて歌って踊れてかっこよくて脚が長いミュージカルスターもたくさんいるから、その点では評価しづらいんですよね。
キザな台詞もめちゃ良かったんだけど、最後にウィンスロップと目を合わせて話す場面の厳しい表情にグッときた。これは良い大人の姿だ。

作品自体はオールドスタイルミュージカルで、ビリヤードなんて子供に悪い影響があるから子供にはマーチングバンドをやらせなくてはいけないと煽って楽器と楽譜とユニフォームを売りつける行商人の話なわけですが、こういう売り方って今でもよくあるよね〜詐欺師と呼ばれてるかはわかんないけど、と思いながら見ました。ハロルドは本当に口がうまいし、騙されてたとしてもまぁいいか、と思わせる魅力がある。
オーケストラピットがステージの手前にあるオーソドックスな形で、指揮の森亮平さんがおもむろにドラムメジャーの帽子を被って指揮を始めるのが見どころ。オーバーチュアが割と長くて、牧歌的な風景が映されているだけなのが、ちょっと飽きてしまうので残念。ここで手拍子でもしていたら、まだ楽しめるのに。ミュージカル手拍子問題は学級会の議題になりがちですが、私は四季宝塚育ちだからか、良きタイミングで手拍子をしたい派です。良きタイミングを見極めるのは匠の技。公演を重ねると手拍子するポイントが決まってくるものですが、私が入った回はリピーター比率が低かったのか、毎度手拍子ポイントが違って興味深かったです。

興味深かったのは、宣伝活動についても。これまでのまーじかるは、まーくんさんが雑誌の取材を受け、表紙を飾り、何らかのバラエティー番組に出演する、というパターンでした。今回は、稽古前の雑誌取材はまーくんさんでしたが、バラエティー番組はまーくんさんのAスタとモリクミさんの行列、稽古中の取材はかのちゃんと小田井さんの2人でした。静岡公演の宣伝は山崎くん1人でしたね(静岡出身なので)
ブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』花乃まりあ×小田井涼平 取材会レポート | ローチケ演劇宣言!
モリクミさんの行列はともかく、稽古中の取材がまーくんさん抜きなのは、そんなパターンもあるんだ!と驚きました。共演者さんのインタビューも聞きたいので全然ありです。そもそも、稽古がある程度進んだ時点で取材が入ることもあまりないので。かのちゃんからまーくんさんのことを「スーパースターです」と言ってもらえて感無量でした。紺野まひるちゃんに「惚れてまうやろ」って言われた時のことを思い出した。

出演者が稽古風景をSNSにアップするのはNGだったようで(作品によって契約条件が違う)、不自然に背景を隠した写真しか上がらないのが残念でしたが、稽古終盤になって公式から稽古動画がアップされました!嬉しい!!
youtu.be
そして、15秒スポットと舞台映像ダイジェストも!
youtu.be
youtu.be
これまで、公演終了後のJ-LOD動画しか期待できない人生だったので(それでもあるだけ全然マシ)、これ!これが欲しくて東宝ミュの出演を願ってたんだよ!!と両手をあげて喜びました。

次の東宝ミュが何年後になるのか、次こそ帝劇に出られるのか、それは全く分かりませんが、とりあえず12年間の願いは叶ったので、来年以降の舞台情報を楽しみにして生きていきます。