しゃましっぷ

奈良でロングランだったら2回くらい行けるかな(´ε`)と余裕かましてたら、キャパ600でとんでもない激戦だったしゃま船。奇跡的に1回当選したので、乗船してきました。

つよしさんのソロライブは4年ぶりくらいでしょうか。ケリータンクと城ホには行きました。堤監督が撮って下さった映画も見ていません。
しゃーまにっぽんについてCDとMVと雑誌インタビューから受けた印象は、正直なところ、ややこしいこと考えてるなぁ、というものでした。恐らく誠実に発言して下さってるのだろうし、音楽でも映像でもその想いは乗せられているのだろうけど、毎日をふわふわニヤニヤして過ごしている私には理解が及ばない。
せっかく取れたチケットだけど、ついていけないかもしれないとドキドキしながらの乗船でした。

終わってみると、4時間弱という時間が短く感じられるくらい楽しめました!
生でライブやお芝居を観ていると色んなことを考えさせられて、目の前のものに集中できないという困った癖があるのですが、
今回も例に漏れず色々考えさせられたので、どんな曲をやったかとか全然覚えてないです。だからこれはコンレポではありません。

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「しゃーまにっぽん」という言葉と、その歌詞に合わせて手でサインを作ることに、最初は少し抵抗がありました。
告白すると16時開始なのに16時半と勘違いして完全遅刻したので、会場に着いた時には既にみんなガッツリ盛り上がっていて、ああ乗り損ねた〜と絶望したのだけれど(自業自得)、
とりあえず指を曲げた独特のサインで「しゃーまにっぽん!しゃーまにっぽん!」と合わせて歌えばよい、ということはすぐに把握できたので、しれっと盛り上がりに参加することができました(すみません、反省はしてます…)

音楽にのっているうちに、これってフラメンコみたいなものかな、と感じてきました。
思い出したのは、昨年のゾロザミュージカル。
まだ終わらんのか!とつい言いたくなるほど長々と続くフラメンコだけど、「オレオレオー」「ライライライ」と言いながらダンス合戦(何と呼ぶのか判りません)が繰り広げられる熱狂と、しゃまライブは通じるものがある。
掛け声は「しゃーまにっぽん」で振りはコレですよと前もって提示されているから、会場内がすぐに一体化できる。
浄土真宗のとりあえず南無阿弥陀仏と言っとけみたいなもんです。(不届き者)
アイドルライブもまさしくそうで、決まった振りやC&Rで味わえるホーム感は格別だものね。

つよしさんのソロ活動では毎回このように「標題」の明示を重視しているように思います。
結局のところやりたいことは「みんなで一つの音楽を作り上げたい」に尽きるのでしょうが、
こんなライブをやりたいというコンセプトが無いとプレゼン出来ない。逆にコンセプトがあれば偉い人たちも協力してくれる。
つよしさんは、いつもの会場でいつものメンバーで自作曲を奏でるに飽き足らず、こういう風にやりたいという壮大なイメージがあるんだけど、
それを実現させるためには偉い人たちを説得してお金を出してもらわないといけない。
芸術家肌でやりたいことやってるだけに見えるかもしれないけれど、きっと私たち以上にビジネスの世界で生きてる気がする。

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故郷・奈良を愛してやまないつよしさんは、観光特別大使として奈良にものすごい経済効果を生んでいるようですね。ライブには奈良の偉い人たちがいらっしゃって、奈良の窮状を訴えられたりもするそうです。
多分、なら100年会館でライブをやったときのことだと思うのですが、奈良の偉い人たちが会場に来て「奈良は人材が大阪・京都に流出してしまうから料理人が育たず、旅館が廃れてしまう」なんて話をしたそうです。アーティストとして来てるのに、観光大使は大変です。
そんなわけで、奈良市長からの直々の要望で来年も奈良でライブが開催されるそうです。

奈良や関西でつよしさんがライブをすると、ファンの方々は遠方から何度も足を運び、奈良の様々な場所でお金を落としてくださいます。
でも、足を運んでくださるつよしさんファンは限られているから、奈良として頑張るべきところはまだまだあると思っているのだけれど、どうも奈良の偉いさん達の姿からは「奈良に救世主が来た」とつよしさんの愛情に便乗している風に感じてしまって、もやもやしてしまいます。地元活性化のためにもっとお客さん呼んでね♪と変な重圧をかけてないかしら、と勝手な心配をしてしまいます。
奈良は良くも悪くも保守的なところが特徴です。でもそんな奈良の地で生まれたとは思えないくらい、つよしさんは革新的です。奈良の偉い人たちがつよしさんに求めているのは、単にアイドルの集客力だけじゃなく、そういう新しいものを生み出すパワーだったらいいのになと願っています。

私が住んでいる場所は、つよしさんの故郷とさほど遠くないと思うのですが、なぜそこまで奈良に特別な思い入れがあるのか、私にはまだピンときません。それは私が大阪で生まれ育ち今も大阪で働いていて、郷土愛が生まれていないことに起因するのかもしれませんが。つよしさんファンの奈良への憧れの声を聞く度に、申し訳ない気持ちになると同時に、キッカケはどうあれ、ファンを作ることが存続には必要不可欠なのだなと実感しています。

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ライブで一番感じたのは、つよしさんがバンドの皆さんに物凄く愛されるんだなということ。
突然セッションしはじめたり、ツアーの途中で新曲生み出しちゃったり、ドラムやキーボードを弾かせろと言ってみたり、MCで面白いこと言わせようと絡んだり。
複数の人でセッションするには共通の完成形が見えてないと難しいかと思うのですが、しかもその完成形が「しゃーまにっぽん」って難しすぎると思うのですが、皆さんすごくいい笑顔で音を紡いでいる。きっと、つよしさんと同じモノが見えているんだと思います。
私の基本はまー担でブイ担なので、ちょうど乗船の数日前にNEWシングルの情報が出て、セクバニのにしこりコンビが愛情かけて楽曲制作して下さったエピソードに「ああブイシックス愛されてるなぁ」と感動していたので、それと同じものをしっぷにも感じたのです。周りに彼らを愛してくれる人たちがいるのは、本当に嬉しいことです。

こんなつよしさんの愛され感は「アイドル」だから自然と生まれるのかもしれませんね。
周りを惹きつける魅力を持っているし、テクニックもわかってる。
もちろん、音楽や仕事に対する真摯な姿勢があるからこそ、周りがサポートしてあげよう、という気持ちになるというのはあるんだろうけど、単に真面目なだけでは伝わらないことも多いから。

ステージ上のベンチに腰掛けておしゃべりしながら、腕を背中の後ろについていたのだけど、そのノースリーブから伸びる二の腕が可愛くて可愛くて。よだれジュルジュルさせながら眺めていました。
しゃまのコンセプトを理解できてないぼんやりさんにも、つよっさんかわいいなぁ、だけで3〜4時間も自分の音楽を聞いてもらうことができて、結果「あぁ、音楽みたいにみんなが同じ方向向けば作り上げていけるのかなぁ」ということくらいは伝えられる。キッカケはともかく、まずは食いついてもらわないと何も伝えられない。アイドルというのはすごい武器だなと思うのです。

自分の奈良に対するもやもやと重ね合わせて、
奈良のアイドル性って何だろう。私は奈良を愛することができるようになるのかしら。
そんなことを考えさせられたライブでした。

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と感想をまとめてみて、えっそんなこと考えてたの!と自分でも絶句しました…。文字にするって恐ろしい。
本当はおさんぽの話も書きたかったのに。
だって、おさんぽつよさまを間近で見れる通路席で、しかもどセンターという最高な席だったんですよ!
ライブ後の自分の呟きを拾ってみると、

  • 奇跡の33歳を見てきたんだけど、神様とエロスとアイドルが一つの身体に共存できるんやなぁ…、が最初に浮かんだ感想でした。
  • あまりの神々しさに「聖徳太子や・・・!」とつぶやいていたのですが、お散歩中のつよさまの汗を自分のタオルで拭うというツワモノが現れ、シッダールタとスジャータ!と考えを改めました。
  • スクリーンいっぱいに自分のキスシーンが映ってる前で演技するの恥ずかしいだろうなと思ったけど、自分の裸身が映ってる前で歌ってる人は全然恥ずかしくなさそうでした。

ほら、おバカな感想ばかりじゃないの。